【病気のペットの摂食を促すための工夫】

◎ 直ちに1種類のフードのみを与える必要がある場合を除いて、1週間程度かけて新たなフードに移行する。2皿給仕により変更する場合には、これまで使用していたボウルに新しいフードを入れるようにする。
◎ ウエットフードは、与える前に体温と同じ温度まで温める。ただし、熱くなりすぎないようにする。
◎ ローフタイプの缶詰フードは、与える前に薄くスライスし、かるく焼いて香りを出してもよく、また、湯を加えてミキサーで混合し、滑らかな質感にしてもよい。
◎ 嗅覚を保つため鼻孔をきれいにしておく。
◎ 足や唇の上に缶詰フードを少量置くことによって、舐める反応が促され、食欲が刺激されることがある。
◎ フードを少量ずつ、何度も与える。ただし、総量が多くならないよう注意が必要である。
◎ 犬の場合には、ドライフードをふやかしてみる。

 フードと風味に対する好みは、一部先天、遺伝的因子に影響を受けるものの、主に経験によって決まります。生まれつきの行動には、次のような例が挙げられます。

◎ 苦み成分を拒否する
✔ 有毒な物質から身を守るための生まれつきのメカニズム。
◎ 目新しい食べ物は当初、少量しか食べない。
✔ その食べ物が安全かどうか評価する。
✔ 特に猫によく見られる。
✔ 極端な場合には、新しい食べ物がどんな嗜好性の高いものであっても、いつまでもその食べ物を拒否することがある。特に病気
  の場合このような行動が見られることがある。
✔ 特別療法食は、一般的にはこれまで食べてきたフードと大きく異なり、かつ病気の際に与えることが多いフードであるため、切り
  替えに慎重になることがある。
◎ いやな体験と味やにおいが関連付けられると、そのような味やにおいに対して急激に食物忌避が発現することがある。

(資料提供:日本ヒルズ・コルゲート株式会社)

 

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